岩とむし
ある時はクライミングフォトグラファー、またある時は全日本放蕩オヤジの会・鎌倉支部長。そんな飯山健治のブログは随時更新スタイルです。
Friday, January 23, 2009
Friday, January 16, 2009
知らないととんでもないことになりますよ!~その2~
前回につづきリボルト関連のネタです。予告どおり「危険な終了展」です。(注意:もちろん正しくは終了”点”ですよ) いろいろたくさんの危険な設置例を見てきたのですが、記憶にあるだけで写真が意外となかったので今回はパート1、ということでご勘弁を。 ではさっそくご覧ください。
これは古くからゲレンデとして利用されているエリアで見つけたものです。ルートもたしかに現行のトポ100○場に紹介されているものですが、おそらく10年以上は誰も取り付いていないでしょう。右上に見えるのがリングボルトと呼ばれる日本固有種?の即打ち換え対象に指定されているボルトです。しかしながらこのような状態にあるというのは人気がないルートであったか、もしくはルートの存在価値そのものが登るに値しないものである可能性が大であります。 リボルト作業はルートの存在意義や歴史的意義や価値も考慮しながら、「果たしてこのルートはリボルトするべきだろうか?」という原点をふまえて行うようにしています。 これは誰がみてもテンションもかけたくない支点ですよね? 初登者が見つかれば了解の上で撤去するようにしています。
これは細々と登られているルートの終了点。さきほどのリングボルトが横に3本打たれています。いわゆる穂高や谷川といった「本ちゃん」ではスタンダートなスタイルのやり方です。均等加重になるように捨て縄をかけ、それらがちと不安な場合はさらに無理やり自分の捨て縄をリングに押し込み足していく、、、(青いスリングが最新版でしょうか?) それでもこのリングボルト。アンカーが岩に入っている長さは3センチもありません。穴の径は8ミリです。 どう思いますか? きっとあなたの番の時は大丈夫かもしれません。そう、神様仏様ご先祖様とお祈りしていれば!?
これは終了点ではありませんが、日本中のエリアで普通に見られるフィックスロープです。写真はちょっとした岩場をアプローチするために「手すり」がわりに次々といろんな人が残置していったのでしょう。新旧ごちゃまぜでかえってからまりそうです(笑)。 クライマーって岩を登れるはずなのにルートの取り付きまではただのハイカーさんなんですよね、日本のロッククライマーは。
で、それらの蜘蛛の糸たちの支点はこうなっております。写真では見えづらいですが「アイボルト」と呼ばれる工業用のボルトが使用されています。強度はそれなりにありますが、引っ張り方向のみ使用に考えられて作られています。写真のはモロ横方向ですねえ、、、。もちろんクライミング用ではまったくありません。
これはけっこう人気のあるルートのものです。上にリング1本、下はアイボルト2本で、それぞれ捨て縄で連結されていてバッチリさ!~な顔してます。はたしてどうなんでしょうか、、、。
これは3本とも「アイナット」ボルトです。「アイボルト」とどう違うかといいますと、オールアンカーなどによる岩から飛び出るように打ち込んだアンカーにクルクルとネジのように回して固定するものです。「アイボルト」は前回のガルバニックちゃんのところで出てきたカットアンカーみたいに穴の開いたアンカーにネジ込むタイプです。強度的には「アイナット」のほうが高いです。
これは12ミリという太めのオールアンカーに「アイナット」を取り付け、さらに捨て縄のナイロン劣化を考慮してかステンレスのワイヤーをそれぞれのアンカーに結束してあります。考え自体は間違っていませんが根本的なところで間違っています。ワイヤーに不安を感じたクライマーが左に自分の捨て縄で独自に終了点を作っていますが、この方も勘違いしてますね。ロワーダウンにカラビナ2枚までは良かったんですが、肝心の付け根はカラビナ1枚です、、、。ゲートが開いてロープが外れる危険性は確かに低くなりますが、強度はどうでしょうか、、、。
いくらワイヤーが丈夫でもカラビナがこれでは、、、。 誰が定期的に交換するのでしょうか? それを一生続けていくことができるのでしょうか?
これがアイナットの拡大写真です。サビてはいますが一般人には強固にみえますね。
となりのボルトのさらに拡大写真です。オールアンカーもアイナットも鉄製でガルバニックコロージョンは発生していないようですが、根本的に鉄なので錆びてしまいました(笑)。
それでは前回の宿題の解答です。 この写真のボルトは「アイボルト」です。 そうです、いくらチェーンで連結したり、カラビナ2枚かけても、根本的に横方向で支えている限り、いつ金属疲労で折れてもおかしくないのです! いや~~~~、今回も相当に怖いですねえ、、、。
とはいえ、一般のクライマーが終了点に到着してこうなっていても、もうどうしようもありませんね。注意できるとすれば残置カラビナの磨耗(まもう=すりへり具合)度合いに注意するぐらいですかね? もちろんヤバイと感じたら手持ちのカラビナと交換しましょう。 えっ? もったいないだって?? あなたの命は1500円もしないんですか???
オールアンカーは横方向の衝撃に弱いです。さらにアイナットの出っ張りによりテコの力が増大してさらに根元に負荷がかかりやすいので簡単に折れてしまうのです。
さらに。
最初に紹介した「アイボルト」は丸いハンガー部分からネジが飛び出すように作られていて、さらに付け根に対してのテコがモロにかかるので折れやすいです、、、。 あ~~~怖いコワイ。
本日の一句
いままで大丈夫だった。先週も大丈夫だった。すぐ前に登った人も大丈夫だった。
そんなあなたはグランドフォール。
天国いけばだれもがフリーソロ?
そうなる前に自分のことは自分で確認しましょうや!
そうなる前に自分のことは自分で確認しましょうや!
(注意: ここでは特定の開拓クライマーや先人達を非難するものではありません。正しい知識を皆さんに知っていただきたいだけです。自分の命を自分で守りたい方はJFA日本フリークライミング協会のHPから情報を得てください。)
Friday, January 9, 2009
知らないととんでもないことになりますよ!~その1~
今回は少し「タメ」になることでも書きたくなりましたので、特別編「岩とぼると」です。あっ「とぼると」ではありません。「と、ぼると」です。 いやはや歳とるとくどくなりますな(笑)。
自分は写真稼業のほかに、「足場建男(あしば たてお)34歳(仮)」という顔を持っていて、JFA日本フリークライミング協会のリボルト作業もしております。
ルート開拓は創造性あふれる楽しい活動なので趣味ですが、人様の打った古くなったボルトを打ち換えるという活動は労多くして退屈で単なる労働です。しかしあれこれ考えてケースバイケースで対応しながらの肉体労働なので救われます。少しでも多くのクライマーに、単にボルトが古くなったり位置が適切ではないために埋もれていってしまう数々の好ルートに再び息を吹き込む意味も含めて、時間のあるときに活動しております。
さて、ひとくちにボルトについてあれこれウンチクを披露するには疲労するだけなので、今回は3種類のケースだけお伝えしますね。 パッと見には、失礼ながらシロートさんには違いがわからないだろうけど、見覚える努力をしてくださいな。 では、問題の品、第1番~
これは一見全然オッケーです! ハンガーは「ツナハンガー」と呼ばれる国産ステンレスハンガーです。ボルトはやはりステンレスの8ミリ径です。外見上はまったく問題ないです。問題があるとすればボルト径が現在主流の10~12ミリより細いために少々不安がありますね。特別早急に打ち換える必要はないと思われますが、、、
知らないととんでもないことになりますよ!
何が? では以下に~
あれれ?取り外してみるとボルトが少し変色してますね、サビ色に、、、。ステンレスなのになぜ???
原因はこいつです! これはカットアンカーと呼ばれるアンカーの一種で、日本国内では最も安く手に入るアンカーです。日本にハンマードリルによるルート開拓の波がフランスから押し寄せてきたのがいまから約25年前のこと。当時からつい15年ほど前までは日本全国の岩場でこのタイプのアンカーが打たれてきました。
写真だとちょいと色が見にくいですが、ボルトが黄色味を帯びています。これは鉄製のボルトです。これでアンカーが鉄製だと、同じ種類の金属同士なので問題ないと思われますが、ハンガーがステンレスなんですよ、、、 あ~残念。 で、取り外してみて見ると、、、
P社に恨みはまったくありませんが、25年前にはメーカー指定の正式な取り扱いにより設置されたボルトです。ハンガーは「このハンガーにピンときたら即、打ち換え対象のアルミニウム製ハンガー」です。ハンガーはアルミ、ボルトは鉄製。
自分は写真稼業のほかに、「足場建男(あしば たてお)34歳(仮)」という顔を持っていて、JFA日本フリークライミング協会のリボルト作業もしております。
ルート開拓は創造性あふれる楽しい活動なので趣味ですが、人様の打った古くなったボルトを打ち換えるという活動は労多くして退屈で単なる労働です。しかしあれこれ考えてケースバイケースで対応しながらの肉体労働なので救われます。少しでも多くのクライマーに、単にボルトが古くなったり位置が適切ではないために埋もれていってしまう数々の好ルートに再び息を吹き込む意味も含めて、時間のあるときに活動しております。
さて、ひとくちにボルトについてあれこれウンチクを披露するには疲労するだけなので、今回は3種類のケースだけお伝えしますね。 パッと見には、失礼ながらシロートさんには違いがわからないだろうけど、見覚える努力をしてくださいな。 では、問題の品、第1番~
知らないととんでもないことになりますよ!
何が? では以下に~
問題はこの写真のアンカーが鉄製だからです。JFA協会会報誌最新号の「フリーファン58号」にも掲載されている「ボルトの科学」という記事にも紹介されている「ガルバニックコロージョン」という現象が起きているからサビているのです。簡単に言えばステンレスと鉄という異種金属が長年接触していると、イオン化傾向という腐食が進んでしまうので、弱い方である鉄製カットアンカーがサビてしまっているのです。
これを登っているクライマーに、クライミングは自己責任で危険を伴うスポーツなんだから、自分で判断しろ!といわれても正直なところ不可能ですな、、、。自分も外してみないと解りません。だからこういうボルトのルートをオンサイトトライするときは「落ちなければ大丈夫だろ」ぐらいですかね。RP狙いのときならば「俺のときには多分、たぶんダイジョーブ、、、」という感じではないでしょうか(笑)?
写真を良く見てもらえば解りますが、穴の中のメネジ部分と外周がサビ色です。典型的なガルバニックちゃんですね。 このルートは開拓されてから20年ちかく経過しているので、即、打ち換えました。
では第2問~
では第2問~
予想以上に腐食が進んでいました。 ガルバニックちゃんには水分の多少とか最近の中国からの酸性雨の影響などで、打たれている場所などで腐食度合いは違ってきます。 これはあきらかに「大当たり」な場所みたいだったです。
ハンガーボルトの締め込みは、このタイプのアンカーだと深さ約20ミリ、ネジメの山わずか約2ミリで固定しているだけです。この2ミリがこんなに腐食しているということは、、、
恐ろしいですね~~~
では本日最後にトドメの一品を(笑)
では本日最後にトドメの一品を(笑)
Sunday, January 4, 2009
初”採集”in アラウンド実家
ということで、実家の目の前を流れている坂東太郎さんの広いふところに今年も腹ごなしに行きました。
付いてきてくれるのはいつも一人だったのですが、今年からは一匹が加わりました。天気がいいと、とにかく外に出たくなるDNAはこいつだけに受け継がれたみたいですな(笑)
(写真の赤いのは逆光のハレーションというやつで、プロ風にいうと「ハレ切り」してないの? 一般的にいうと「心霊写真ッスか?それともゼロ磁場の念力写真??」、という感じです。いやはや、、、)
夏だととても立ち入ることのできないヤブ野原も、冬には公開採集地となります(笑)。バチ鍬持って腐れた倒木をバコバコ割ってレッツ・チッピング!です。本日のお目当ては越冬中の「マイマイカブリ」。オサムシ科で外敵から身を守るときには強烈に臭いオナラを標的に向かって発射します。ここにいるのはヒメマイマイなんですが、東北にいるコアオマイマイにも似ているものもいるので数を採って見比べたい産地でもあります。で、臭いといえば人間の何千倍も鼻が利く犬が有利ということで我が家の新人に期待したんですが、、、。飛んでいる鳥ばかりに気を取られ、まったく役に立たず。間違って出してしまったウスバカミキリの真ん丸に太った大きい幼虫を食べてました(笑) ありゃあ最高のアミノ酸だろうなあ、、、。
