知らないととんでもないことになりますよ!~その2~
前回につづきリボルト関連のネタです。予告どおり「危険な終了展」です。(注意:もちろん正しくは終了”点”ですよ) いろいろたくさんの危険な設置例を見てきたのですが、記憶にあるだけで写真が意外となかったので今回はパート1、ということでご勘弁を。 ではさっそくご覧ください。
これは古くからゲレンデとして利用されているエリアで見つけたものです。ルートもたしかに現行のトポ100○場に紹介されているものですが、おそらく10年以上は誰も取り付いていないでしょう。右上に見えるのがリングボルトと呼ばれる日本固有種?の即打ち換え対象に指定されているボルトです。しかしながらこのような状態にあるというのは人気がないルートであったか、もしくはルートの存在価値そのものが登るに値しないものである可能性が大であります。 リボルト作業はルートの存在意義や歴史的意義や価値も考慮しながら、「果たしてこのルートはリボルトするべきだろうか?」という原点をふまえて行うようにしています。 これは誰がみてもテンションもかけたくない支点ですよね? 初登者が見つかれば了解の上で撤去するようにしています。
これは細々と登られているルートの終了点。さきほどのリングボルトが横に3本打たれています。いわゆる穂高や谷川といった「本ちゃん」ではスタンダートなスタイルのやり方です。均等加重になるように捨て縄をかけ、それらがちと不安な場合はさらに無理やり自分の捨て縄をリングに押し込み足していく、、、(青いスリングが最新版でしょうか?) それでもこのリングボルト。アンカーが岩に入っている長さは3センチもありません。穴の径は8ミリです。 どう思いますか? きっとあなたの番の時は大丈夫かもしれません。そう、神様仏様ご先祖様とお祈りしていれば!?
これは終了点ではありませんが、日本中のエリアで普通に見られるフィックスロープです。写真はちょっとした岩場をアプローチするために「手すり」がわりに次々といろんな人が残置していったのでしょう。新旧ごちゃまぜでかえってからまりそうです(笑)。 クライマーって岩を登れるはずなのにルートの取り付きまではただのハイカーさんなんですよね、日本のロッククライマーは。
で、それらの蜘蛛の糸たちの支点はこうなっております。写真では見えづらいですが「アイボルト」と呼ばれる工業用のボルトが使用されています。強度はそれなりにありますが、引っ張り方向のみ使用に考えられて作られています。写真のはモロ横方向ですねえ、、、。もちろんクライミング用ではまったくありません。
これはけっこう人気のあるルートのものです。上にリング1本、下はアイボルト2本で、それぞれ捨て縄で連結されていてバッチリさ!~な顔してます。はたしてどうなんでしょうか、、、。
これは3本とも「アイナット」ボルトです。「アイボルト」とどう違うかといいますと、オールアンカーなどによる岩から飛び出るように打ち込んだアンカーにクルクルとネジのように回して固定するものです。「アイボルト」は前回のガルバニックちゃんのところで出てきたカットアンカーみたいに穴の開いたアンカーにネジ込むタイプです。強度的には「アイナット」のほうが高いです。
これは12ミリという太めのオールアンカーに「アイナット」を取り付け、さらに捨て縄のナイロン劣化を考慮してかステンレスのワイヤーをそれぞれのアンカーに結束してあります。考え自体は間違っていませんが根本的なところで間違っています。ワイヤーに不安を感じたクライマーが左に自分の捨て縄で独自に終了点を作っていますが、この方も勘違いしてますね。ロワーダウンにカラビナ2枚までは良かったんですが、肝心の付け根はカラビナ1枚です、、、。ゲートが開いてロープが外れる危険性は確かに低くなりますが、強度はどうでしょうか、、、。
いくらワイヤーが丈夫でもカラビナがこれでは、、、。 誰が定期的に交換するのでしょうか? それを一生続けていくことができるのでしょうか?
これがアイナットの拡大写真です。サビてはいますが一般人には強固にみえますね。
となりのボルトのさらに拡大写真です。オールアンカーもアイナットも鉄製でガルバニックコロージョンは発生していないようですが、根本的に鉄なので錆びてしまいました(笑)。
それでは前回の宿題の解答です。 この写真のボルトは「アイボルト」です。 そうです、いくらチェーンで連結したり、カラビナ2枚かけても、根本的に横方向で支えている限り、いつ金属疲労で折れてもおかしくないのです! いや~~~~、今回も相当に怖いですねえ、、、。
とはいえ、一般のクライマーが終了点に到着してこうなっていても、もうどうしようもありませんね。注意できるとすれば残置カラビナの磨耗(まもう=すりへり具合)度合いに注意するぐらいですかね? もちろんヤバイと感じたら手持ちのカラビナと交換しましょう。 えっ? もったいないだって?? あなたの命は1500円もしないんですか???
オールアンカーは横方向の衝撃に弱いです。さらにアイナットの出っ張りによりテコの力が増大してさらに根元に負荷がかかりやすいので簡単に折れてしまうのです。
さらに。
最初に紹介した「アイボルト」は丸いハンガー部分からネジが飛び出すように作られていて、さらに付け根に対してのテコがモロにかかるので折れやすいです、、、。 あ~~~怖いコワイ。
本日の一句
いままで大丈夫だった。先週も大丈夫だった。すぐ前に登った人も大丈夫だった。
そんなあなたはグランドフォール。
天国いけばだれもがフリーソロ?
そうなる前に自分のことは自分で確認しましょうや!
そうなる前に自分のことは自分で確認しましょうや!
(注意: ここでは特定の開拓クライマーや先人達を非難するものではありません。正しい知識を皆さんに知っていただきたいだけです。自分の命を自分で守りたい方はJFA日本フリークライミング協会のHPから情報を得てください。)

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