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岩とむし

ある時はクライミングフォトグラファー、またある時は全日本放蕩オヤジの会・鎌倉支部長。そんな飯山健治のブログは随時更新スタイルです。

Friday, January 9, 2009

知らないととんでもないことになりますよ!~その1~

今回は少し「タメ」になることでも書きたくなりましたので、特別編「岩とぼると」です。あっ「とぼると」ではありません。「と、ぼると」です。 いやはや歳とるとくどくなりますな(笑)。
自分は写真稼業のほかに、「足場建男(あしば たてお)34歳(仮)」という顔を持っていて、JFA日本フリークライミング協会のリボルト作業もしております。
ルート開拓は創造性あふれる楽しい活動なので趣味ですが、人様の打った古くなったボルトを打ち換えるという活動は労多くして退屈で単なる労働です。しかしあれこれ考えてケースバイケースで対応しながらの肉体労働なので救われます。少しでも多くのクライマーに、単にボルトが古くなったり位置が適切ではないために埋もれていってしまう数々の好ルートに再び息を吹き込む意味も含めて、時間のあるときに活動しております。
さて、ひとくちにボルトについてあれこれウンチクを披露するには疲労するだけなので、今回は3種類のケースだけお伝えしますね。 パッと見には、失礼ながらシロートさんには違いがわからないだろうけど、見覚える努力をしてくださいな。 では、問題の品、第1番~
これは一見全然オッケーです! ハンガーは「ツナハンガー」と呼ばれる国産ステンレスハンガーです。ボルトはやはりステンレスの8ミリ径です。外見上はまったく問題ないです。問題があるとすればボルト径が現在主流の10~12ミリより細いために少々不安がありますね。特別早急に打ち換える必要はないと思われますが、、、
知らないととんでもないことになりますよ!
何が? では以下に~

あれれ?取り外してみるとボルトが少し変色してますね、サビ色に、、、。ステンレスなのになぜ???

原因はこいつです! これはカットアンカーと呼ばれるアンカーの一種で、日本国内では最も安く手に入るアンカーです。日本にハンマードリルによるルート開拓の波がフランスから押し寄せてきたのがいまから約25年前のこと。当時からつい15年ほど前までは日本全国の岩場でこのタイプのアンカーが打たれてきました。
問題はこの写真のアンカーが鉄製だからです。JFA協会会報誌最新号の「フリーファン58号」にも掲載されている「ボルトの科学」という記事にも紹介されている「ガルバニックコロージョン」という現象が起きているからサビているのです。簡単に言えばステンレスと鉄という異種金属が長年接触していると、イオン化傾向という腐食が進んでしまうので、弱い方である鉄製カットアンカーがサビてしまっているのです。
これを登っているクライマーに、クライミングは自己責任で危険を伴うスポーツなんだから、自分で判断しろ!といわれても正直なところ不可能ですな、、、。自分も外してみないと解りません。だからこういうボルトのルートをオンサイトトライするときは「落ちなければ大丈夫だろ」ぐらいですかね。RP狙いのときならば「俺のときには多分、たぶんダイジョーブ、、、」という感じではないでしょうか(笑)?
写真を良く見てもらえば解りますが、穴の中のメネジ部分と外周がサビ色です。典型的なガルバニックちゃんですね。 このルートは開拓されてから20年ちかく経過しているので、即、打ち換えました。


では第2問~
写真だとちょいと色が見にくいですが、ボルトが黄色味を帯びています。これは鉄製のボルトです。これでアンカーが鉄製だと、同じ種類の金属同士なので問題ないと思われますが、ハンガーがステンレスなんですよ、、、 あ~残念。 で、取り外してみて見ると、、、



あちゃ~! とんでもないことに~なっちゃってました~
予想以上に腐食が進んでいました。 ガルバニックちゃんには水分の多少とか最近の中国からの酸性雨の影響などで、打たれている場所などで腐食度合いは違ってきます。 これはあきらかに「大当たり」な場所みたいだったです。
ハンガーボルトの締め込みは、このタイプのアンカーだと深さ約20ミリ、ネジメの山わずか約2ミリで固定しているだけです。この2ミリがこんなに腐食しているということは、、、
恐ろしいですね~~~


では本日最後にトドメの一品を(笑)

P社に恨みはまったくありませんが、25年前にはメーカー指定の正式な取り扱いにより設置されたボルトです。ハンガーは「このハンガーにピンときたら即、打ち換え対象のアルミニウム製ハンガー」です。ハンガーはアルミ、ボルトは鉄製。
さて20年後にどうなるかというと、、、



かなり、きてます。でもまだネジメは効いていそうですね。少しは強度残っているかもしれない、と思いアンカー側を見てみると、、、、




まずまずの腐食度合いです。先ほどのほうがひどかったかな? ハンガーとの隙間には越冬中のクモが寝ていたみたいで、オロオロと逃げていきました。悪いことしちゃいましたな、、、。
これでみなさん、少しはリボルトの必要性を感じていただければ幸いです。
本日の教訓~
落ちなければ大丈夫。静かにテンションすればダイジョウブ。そんなあなたに大当たり! ボルト破断は人災です!!







次回は未定ですが、題して「危険な終了展」、でいきましょうかね(笑) 乞うご期待~
上の写真のどこが危険なのかは宿題です~~
*注意* 今回は批判性を含む内容でしたので、特定の個人やルート、エリアと分かる写真、名称は完全に伏せてあります。また、「写真の岩が石灰質だから、、、」などといった詮索はなされないようにお願いいたします。




1 Comments:

Blogger 太郎 said...

はじめまして。
「ツナハンガー」は、画像の向きで言うと、クリップする孔が、上側より下側で岩から離れています。画像とは180度回転して、クリップする部分がボルトの右側に来るように設置するように設計されていると考えているのですが、いかがですか?
右手でレンチを使う人がほとんどのせいか、現場では画像のように設置されて、緩んでのびているのをよく見かけました。

January 19, 2009 7:54 PM  

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